夕張支線の終着点!石勝線・夕張駅に行ってみよう!

石勝線の夕張駅を紹介します。「夕張支線」の終着駅である夕張駅周辺は、「マウントレースイ」「石炭の歴史村」など、夕張市の観光スポットが数多くある場所です。「夕張支線」廃止前に、終点まで列車に乗って訪れてみてはいかがでしょうか。

夕張支線の旅は、いよいよ終着駅へと向かう!

夕張市内を北上する夕張支線の旅は、鹿ノ谷駅を越えていよいよ終着駅へと向かいます。鹿ノ谷駅から1.3キロほど離れた終着駅「夕張駅」までは、住宅の数も少なくなり、夕張市を囲む山々の姿が車窓に続きます。

近い将来の廃線が決定的な夕張支線では、車窓からの景色も今後見られなくなってしまいます。夕張周辺の山々の雰囲気をしっかりと目に焼き付け、ファインダーにも収めておきましょう。

山の景観を眺めながら、列車に揺られていきます。この景色も、廃線後は車窓からは見られなくなってしまいます。

夕張支線の終着駅!夕張駅とは?

夕張支線の最後の駅である夕張駅は、夕張市の中心駅として発展してきた駅です。かつて、北海道はもちろん全国的にも有数の「炭都」であった夕張の人やものを運ぶ拠点として、夕張駅は賑わいを見せていました。

夕張駅はかつて、現在「石炭の歴史村」がある場所の近くに位置していました。炭鉱労働者や石炭などを運び出すために、より炭鉱に近い場所に駅舎が設けられていたのです。

炭鉱事業が縮小すると、夕張市は観光事業を全面に押し出すようになりました。夕張駅も石炭を運ぶという役割を終え、1990年には駅舎の場所を現在駅のある地点へと移動しました。ホテルマウントレースイの前に移動して以降、ホテルと共に観光開発が進められましたが、観光事業は失敗。駅を利用する人は少なくなってしまい、近い将来の廃線が決定してしまったのです。

夕張駅外観。レトロな雰囲気の喫茶店のような建物となっています。

夕張駅の裏手にはリゾートホテル「マウントレースイ」が建っています。

夕張市内には、町おこしの一環としてレトロな映画の看板を掲げた商店や建物などが数多く建っています。マウントレースイの建物にも、このような看板が掲げられています。

駅構内の様子。映画「幸福の黄色いハンカチ」にちなんで、黄色いハンカチが掲げられています。

ハンカチには、様々なメッセージが書かれているものもあります。財政再建団体となった夕張を応援するようなメッセージも数多く見受けられます。

市内で開催されるイベントなどの情報も掲載されています。駅舎は、夕張市の観光案内所も兼ねています。

夕張市のゆるキャラ「メロン熊」などが飾られています。

時刻表。1日5本しか運行していません。

駅舎内には、喫茶店「和」が入居しています。現在こちらでは乗車券の販売は行われていません。

ホームまでは、屋根に覆われたこちらの通路を通っていきます。

ホームの様子。簡素で、必要最低限のものしか設置されていません。

夕張支線の終点。

駅周辺にはまばらに建物が並んでいるだけであり、かつて夕張市の中心駅であったとはとても思えません。

夕張駅からおよそ1キロ北上したところには夕張市役所があり、周辺には市街地が広がっています。市街地は閑散としていますが、「ゆうばりキネマ街道」という町おこしの一環で映画のレトロな看板を数多く見ることができます。毎年2月には、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」も開催され、映画ファンが数多く夕張に訪れます。

夕張市役所。かなり大きな建物です。

夕張市の市街地。イベントなどがある場合以外は、このようにかなり閑散としています。国内外のレトロな映画の看板が数多く見受けられます。

公民館。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭のメイン会場のひとつとなっています。

夕張駅周辺スポット①:ゆうばり屋台村

夕張駅の目の前には、「ゆうばり屋台村」という飲食店が数多く入居した建物があります。昔ながらの炭鉱住宅を模したゆうばり屋台村では、ラーメンや寿司、焼き鳥など様々なグルメを味わうことができます。

都市部に見られるフードコートとは違い、店主の方が気さくに話しかけてきてくれるようなアットホームな雰囲気の飲食街であり、地元の人々の温かさを感じながら食事を楽しむことができるでしょう。

ゆうばり屋台村。小さい建物に見えますが、中には8軒もの飲食店が入居しています。

内部は少し薄暗く、各店舗の店員さんが直接注文や料理を持ってきてくれます。

今回は、「夕張石炭 くろラーメン」を注文しました。名前のとおり丼ぶりもスープも真っ黒なラーメンです。味自体はオーソドックスなしょうゆ味であり、万人受けする味となっています。

竹炭を練り込んで作る麺はインパクト抜群。箸にも黒い炭の色が付きます。

夕張駅周辺スポット②:石炭の歴史村

炭鉱が衰退したのち、夕張市が目指した「炭鉱から観光へ」の目玉となった施設が、この「石炭の歴史村」です。東京ディズニーランドが開園した1983年に全面オープンとなったこの施設は、「夕張市石炭博物館」を中心とした炭鉱の歴史をたどる施設と、「アドベンチャー・ファミリー」というジェットコースターや観覧車などを備えた巨大遊園地で構成されたテーマパークとして開園しました。

しかしながら1990年代に入ると観光事業の失敗によって施設の収支は大幅に悪化。2006年には運営会社が破綻。当初は閉園される予定でしたが、運営会社を変更して「アドベンチャー・ファミリー」以外の施設が存続することになりました。

夕張の産業転換失敗の遺産でもあるこの施設ですが、炭鉱の歴史をしっかりと学ぶことのできる施設として根強い人気を保ち続けています。現在では、冬季間は休業することになっています。

旧夕張炭鉱の跡地にできたため、巨大な敷地を誇っています。

現在では、石炭博物館などの施設のみが運用されています。この日は冬期間休業中でした。

夕張駅のまとめ

夕張支線の終着駅である夕張駅は、夕張の産業が移り変わるごとに移築を繰り返してきた駅です。夕張市の寂しい風景と同じく現在ではあまり人が訪れない駅となってしまいましたが、レトロな感覚あふれる建物や周辺の環境は一見の価値があります。
夕張市を北上する夕張支線は、夕張駅で終着となります。次回はまた石勝線に戻って、新夕張駅の隣の駅「占冠駅」まで、進んでみることにしましょう。

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むらはし

むらはし

北海道の鉄道に魅せられた平成世代。北海道に数多くある秘境駅、廃線間近の路線などを巡り、その素晴らしさを伝えたいと思っています。

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