室蘭本線の小幌駅を紹介します。「日本一の秘境駅」と呼ばれる小幌駅は、MAPを見てもどのようにたどり着けばよいのかいいか分からないほど山奥に位置する、他の秘境駅とは一線を画すほどたどり着くのが難しい駅でした。
日本一の秘境駅!小幌(こぼろ)駅とはどんな駅?
北海道には地方の過疎化の影響もあって、1日の利用客がほとんど0人に近いような駅も多数存在しています。そのような駅では採算は取れない反面、独特な静けさと物寂しい光景、そして稀に通過する列車の雰囲気がその場所でしか味わえない感動を生んでいます。鉄道マニア以外にも、そのような駅は誰しもが一度は訪れてみたい魅力にあふれているのです。
しかし中には、そもそも山の中にあるなどの理由からたどり着くのが著しく困難な駅も存在しています。人里離れた山の中などに位置しており、アクセスが困難な駅は一般に「秘境駅」と呼ばれています。
特に今回紹介する小幌駅は、全国の鉄道ファンが口々に「日本一の秘境駅」であると言うまさに「秘境中の秘境」の駅です。近年ではテレビ番組などで取り上げられたこともあり、小幌駅の知名度は一般層にまで広がってきています。
しかし、テレビなどで小幌駅の存在を知ったとしても、実際にたどり着くためにはそれなりの覚悟と気合いが必要になります。「駅を見に行くだけで大げさな」と思う方もいらっしゃるでしょう。そんな方は、この前後編に渡る筆者の戦いの記録を見て、ぜひ実際に小幌駅を目の当たりにしてみてはいかがでしょうか。
この看板を実際に見るためには、折れない心と気合いが必要になります。心してかかりましょう。
なぜそれほどたどり着くのが難しいのか?
小幌駅にたどり着くことが困難な理由は、以下のGoogle Earthを見ていただければわかると思います。
ご覧のとおり、山の中の道なき道を進んでいくことになります。
筆者は小幌駅に行く際、最初間違った道を歩んでしまいました。その結果、11月に入って雪深くなった山の中で、危うく遭難しかけるという貴重な経験をすることができました。その後やっとの思いでスタート地点付近まで戻り、正しいルートを進んでなんとか小幌駅の姿を拝むことができたのです。
13:30、アタック開始
筆者は13:30に小幌駅へのアタックを開始しました。正直、進み始めた段階では山の中ではあれど、林道があるという情報も得ていたことからかなりこのアタックを舐めてかかっていたことは事実です。服装も冬用のコートに通常のスキニージーンズ、さらにスニーカーと、およそアタックにはふさわしくない格好でスタートしました。
まずスタート地点ですが、かなり分かりにくくなっています。国道37号線上に、内浦湾の絶景を楽しむことのできる「小幌橋」という橋があります。その手前にあるトンネル「礼文華トンネル」の洞爺湖方面側入り口の手前に、国道から分岐する小道があり、その小道がスタート地点となっているのです。
この内浦湾と山々の美しい風景を見ることのできる「小幌橋」の手前にあるトンネルが目印です。
大きめの看板があるため、探すのは容易でしょう。
写真の左側、トンネルの手前で、ガードレールが途切れて小道になっている箇所があります。ここが、小幌駅へのスタート地点です。
礼文華トンネルの脇を進んでいきます。
小道からは、内浦湾の美しい光景を見ることもできます。
色づく山々と内浦湾。小幌駅へのアタックの途中では、このような絶景をいくつも見ることができます。
動物の足跡も各所に見ることができます。念のため、クマ避けの鈴などの用意はしておくべきでしょう。
この看板が見えたら、いよいよ小幌駅へのアタックがスタートします。
最初にして最大のミス、分岐点を間違える!
事前の情報で、筆者は「分岐点が見えたら右に進む」というものを得ていました。スタート地点から数歩進んだところで、早くも分岐点が現れ、筆者は迷わず右のルートを選びました。
しかし、この選択こそが最初にして最大の失敗だったのです。実は、スタート地点からすぐの分岐点はフェイクであり、スタート地点から10分ほど真っ直ぐ進んだ先にある分岐点で右に曲がらなければ、全く整備されていない獣道を進まざるを得なくなってしまうのです。
結果的に筆者はここで道を間違えたために、SASUKEも真っ青なアスレチックコースを進んでいくこととなり、沢超えに失敗して小川に転落したり、ぬかるみに足を滑らせて泥だらけになったり、最終的には行き止まりに突き当たって真剣に救援隊の要請をするか考えることとなってしまいました。
くれぐれも、最初の分岐点はスルーし、10分ほど歩いてから見えてくる2番目の分岐点で右に進路を取るようにしましょう。
スタート地点からすぐのところにあるこの分岐点には要注意です。迷わず、左を選びましょう。
ここで右を選んだ場合には全く整備されていない道なき道が続きます。このような道が続いたら、一旦引き返すことも検討しましょう。
このルートではこのような小川を超えなければいけない箇所がいくつも存在します。筆者は写真の右側に飛び移ることに失敗し、靴とズボンのすそを水浸しにしてしまいました。
30分ほど進んだ段階で、このような行き止まりに突き当たり、筆者は途方に暮れてしまいました。気温4度、戻ろうにも険しい山道が続くこの場所で、携帯の電波は通じたことから救援要請をしようか本気で迷いました。
結局元来た道を戻る選択をしたものの、元の道が分からなくなりまたしても遭難しかけてしまいます。写真のように険しい斜面の上に最初に歩いてきた小道の縁が見えたため、決死の思いで筆者は急斜面を木を伝いながら登っていきました。
小道から自分が登ってきた斜面を見下ろした写真です。この後、また小道を歩いて、筆者はスタート地点に約1時間かけて戻ってきました。
小幌駅のまとめ
このように筆者は大変な目にあいましたが、最悪の場合でも携帯電話の電波は通じますので、救助の要請を行うことは可能です。こうして約1時間かけてスタート地点に戻った筆者は、再度スタート地点からアタックを開始したのでした。
次回は、小幌駅まで一気に向かっていくことにしましょう。
むらはし
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