廃止された駅たち!石勝線の十三里・楓・登川駅とは?

石勝線の十三里・楓・登川駅を紹介します。3駅ともすでに廃止されてしまった駅ではありますが、周辺の景観には特筆すべきものが残っており、これらの駅抜きには石勝線を語ることはできません。

石勝線は廃止されてしまった駅にも魅力がいっぱい!

支線部の廃止が秒読み段階まで来ている石勝線ですが、石勝線にはすでに廃止されてしまっている駅もいくつか存在します。以前の記事で紹介した「東追分駅」はそのうちのひとつであり、2016年3月のダイヤ改正の際に廃止されてしまいました。

東追分駅の記事でも分かる通り、廃止されてしまった駅にも魅力的な景観や特筆すべき事がらが数多く存在します。これらの駅は、いずれも利用者の減少によって採算が取れなくなった場所ばかりです。しかし一方で、駅周辺に人の気配が少なかったがゆえに、他の駅よりも自然のままの景観が残っているスポットでもあるといえます。

今回は、そんなすでに廃止されてしまった石勝線の駅を、3駅まとめて紹介していきます。

楓駅近くの国道274号線からの光景。廃駅になった場所の周辺では、このような夕焼けの光景もより美しく見えます。

2016年3月に廃止。十三里駅とは?

石勝線の滝ノ上駅と新夕張駅の間に位置していた十三里駅は、2016年3月に東追分駅とともに廃止されてしまった駅です。東追分駅と同様、炭鉱が栄えていた時代には人と物資の輸送拠点のひとつとなっていましたが、炭鉱が衰退してしまったことでその役割を失い、次第に利用客が少なくなってしまいました。

2009年から2014年までの6年間における1日平均の乗客数はわずかに0.4人。鉄道ファン以外からはほとんど見向きもされなくなってしまった十三里駅は、東追分駅のようにCMによってその存在を掘り起こされることもなく、2016年3月に寂しくその役割を終えたのです。

しかし十三里駅の周辺には夕張メロン農家と国道274号線が走るのみでほぼ無人であり、人の気配を感じることがほぼない場所となっています。遠くの山々の光景を眺めながら、旅の途中で一息つくのもよいでしょう。

十三里駅跡地。十三里駅という名前は、追分駅から13マイル離れている場所にできた駅ということから取られています。

東追分駅同様、現在は「十三里信号場」として運用されており、関連施設が建っています。

駅関連設備はほとんどなくなってしまいましたが、駅時代からあるスノーシェルターは撤去されずに残されています。

駅があった場所の手前には国道と夕張川、そして遠くに連なる山々を見ることができます。

雄大な山々は「鬼首山」という名前が付けられています。

駅のあった場所の向かいには、メロン農家の大きな看板が立っています。

駅名を表すものとして、夕鉄バスの「十三里駅前」停留所が今も残されています。

2004年3月に廃止。楓駅とは?

炭鉱が衰退して以来、石勝線の利用客は年々減少し続けています。結果として使われなくなる駅が増え、国鉄がJRに移行してからは少しずつ、しかし着実に廃駅が進んでいっています。

新夕張駅と占冠駅の間にあった楓駅は、国鉄がJRになってからは比較的早い段階で廃止となってしまった駅です。炭鉱全盛期には後述する「夕張線登川支線」が存在し、「楓鉱」という炭鉱へと人や物資を結ぶために使われていました。登川支線の廃止、および石勝線への再編を経てもなお場所を変えつつ存続した楓駅ですが、利用者減少には歯止めがかからず、2004年には旅客扱いを停止。現在は「楓信号場」として運用されています。

旧楓駅。現在は信号場として運用されており、その関連施設が建っています。

旅客扱い末期には1日平均1人しか乗客がおらず、他の駅に先立って廃止されました。

楓信号場は間近を列車が通過する場所でもあり、格好の写真撮影スポットにもなっています。

1981年7月に廃止。登川駅とは?

石勝線がまだ「夕張線」であったころ、炭鉱の人や物資を輸送するために「登川(のぼりかわ)支線」という支線が運行されていました。その支線の終着駅だったのが登川駅であり、駅舎は北炭が運営する「登川炭鉱」の入り口に位置していました。

1981年、炭鉱事業の縮小に伴って登川支線が廃止され、登川駅も自動的に廃止される運びとなりました。今から40年近く前に廃止されてしまったこともあり、当時登川駅があった場所にはその痕跡を示すものはほとんどなくなっていますが、炭鉱関連の輸送や歴史を考える際には外すことができない駅だと言えるでしょう。

登川駅は路線ごと廃止されてしまったため、現在はその場所を示すようなものがほとんど残されていません。

登川の集落があった場所も、すでに建物などはほとんどなくなっています。写真は「登川中学校」があったことを示す石碑です。

登川支線の起点でもあった新夕張駅は、当時「紅葉山駅」と呼ばれていました。新夕張駅には、紅葉山の名前が書かれた駅名表示板もあります。

十三里駅・楓駅・登川駅のまとめ

今回紹介したように、石勝線の廃止されてしまった駅にもそれぞれの歴史や物語が刻まれています。加えて、その場所でしか見られない光景も数多く、石勝線を知る上では絶対に外すことができない駅ばかりだと言えるでしょう。
旧十三里駅から少し東に行くと、夕張支線への分岐駅でもある「新夕張駅」、さらにその先の「沼ノ沢駅」が見えてきます。景観を眺めつつ、ゆっくりと進んでいきましょう。

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むらはし

むらはし

北海道の鉄道に魅せられた平成世代。北海道に数多くある秘境駅、廃線間近の路線などを巡り、その素晴らしさを伝えたいと思っています。

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