内浦湾に近いロケーションが魅力!室蘭本線・黄金駅とは?

室蘭本線の黄金駅を紹介します。伊達市の入り口に位置する黄金駅は、目の前に内浦湾を望むことのできる景観の素晴らしい駅です。室蘭市を出て、ローカル感がひときわ強くなっている駅となっています。

室蘭本線は、有珠山や昭和新山方向に北へと進む!

室蘭市に入ってから一貫して西側に進路を取り続けていた室蘭本線ですが、前回の崎守駅を過ぎて室蘭市を抜けてからは、少しずつ北方向へと進路を変えていくことになります。室蘭市の北側には有珠山や昭和新山といった北海道を代表する山々がそびえており、室蘭本線はそれらの山々に向かって進路を取り続けます。

室蘭市の隣、伊達市に差し掛かると、車窓の景色も少しずつ変わり始めます。しばらくは内浦湾、そして国道37号線と並走する形で北上していくので、両サイドの車窓の景色を楽しみながら進みましょう。

車窓には国道37号線のほか、遠くに鷲別岳、稀府岳、カムイヌプリといった山々を望むことができます。

海を望む小さな小屋!黄金駅とは?

室蘭本線の31個目の駅である黄金(こがね)駅は、伊達市の南端に位置している駅です。目の前に内浦湾を望み、壮大なスケールを感じさせてくれる反面、駅舎自体はそれほど大きくなく、小ぢんまりした小屋のような駅となっています。

黄金駅は年々乗客数が減ってきているローカル駅です。2012年の乗降客数は1日平均12人程度と、ほとんど利用客がいない駅となっています。しかし、海にかなり近いロケーションや、遠くに見える有珠山のパノラマを一目見たいという人は多く、鉄道ファンを中心に知名度の高い駅となっています。

黄金駅外観。外壁は2010年以降に塗り直されており、濃い紺色が印象的な駅舎となっています。

駅周辺の様子。民家などもそれほど多くなく、寂しい印象の場所です。

駅のホームのすぐ向こう側には、内浦湾を望むこともできます。

駅舎を通らなくても、ホーム前の柵が途切れている場所から直接ホームに入ることができます。

駅構内の様子。小ぢんまりとした空間で、簡易的なベンチなどがあるのみとなっています。

ホームの様子。ホームから見ると、駅舎の屋根が青色になっていることが分かります。

踏切から見た長万部方面の線路。跨線橋はなく、反対側のホームへは踏切から直接渡ることになります。

伊達市内の室蘭本線の駅の多くに、このような形の駅名表示板が取り付けられています。

駅舎の反対側のホーム。目の前には海が広がります。

しばしの間、室蘭本線は海に近い場所を運行します。

海風が強く吹き付けるため、海側に向いた駅名表示板はこのように腐食が進んでいます。

ホームから見た有珠山の様子。晴れた日にはこのようにくっきりと有珠山の姿を望むことができます。

時刻表。やはり長万部方面への本数が多くなっています。

黄金駅周辺スポット:北黄金貝塚公園

伊達市を含む噴火湾周辺には、紀元前3,500年ごろまで縄文人の大きな集落や貝塚があったことが分かっています。「北黄金貝塚公園」は、そのような縄文時代の遺跡を復元して展示している公園で、竪穴住居や貝塚を通して縄文人の生活を学ぶことができます。

黄金駅から徒歩15分程度の場所に位置しています。

公園の入り口には、解説パネルが立っています。

開放的な雰囲気の丘は、縄文人が実際に住んでいた時代とほとんど変わらないものとなっています。

竪穴住居や、貝塚について、より詳細に解説している博物館などがあります。

また、貝塚公園に通じる道をさらに10分ほど歩いていくと、小高い丘に出ることができます。この場所は知る人ぞ知るビュースポットであり、稀府岳や鷲別岳、カムイヌプリ、そして有珠山と昭和新山の姿を高台から一望することができます。ガイドブックにも載っていない絶景を楽しめるこの場所は、貝塚公園と合わせてぜひ行っておきたいところです。

稀府岳やカムイヌプリなど、登別方面に向けて連なる山々を見ることができます。

風力発電所が数多く建っている様子なども確認することができ、晴れた日には気持ちの良い景観が広がります。

有珠山や昭和新山を望むこともできます。有珠山の右側に小さく突き出た山が、昭和新山です。地元の方々しか知らないような隠れたビュースポットは、ぜひ押さえておきたいところです。

黄金駅のまとめ

黄金駅は内浦湾に面した場所に位置している海に非常に近い駅で、海風が強く吹く日は厳しい気象条件となる場所でもあります。しかし、有珠山の姿をくっきりと見ることができるので、小ぢんまりとした駅舎とともに、ぜひともチェックしておきたい駅だと言えるでしょう。
室蘭本線は、黄金駅から北上を続けていき、伊達市中心部へと向かっていくことになります。次回は、こちらも海沿いに位置している駅「稀府駅」へと向かっていくことにしましょう。

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むらはし

むらはし

北海道の鉄道に魅せられた平成世代。北海道に数多くある秘境駅、廃線間近の路線などを巡り、その素晴らしさを伝えたいと思っています。

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