室蘭本線の母恋駅を紹介します。全国でもわずかに4つしかない「恋」の文字が付く駅・母恋駅は、近くに室蘭市を代表する観光スポット「地球岬」を有する駅です。降り立ったら、ぜひとも夫婦・カップルで訪れてみてはいかがでしょうか。
広い道路と並行して、室蘭支線は進む
室蘭市は町の面積が北海道の市町村としては小さく、そのために住宅が密集しているエリアが多く存在していることが特徴です。かつては16万人以上の人口を抱え、人口密度では札幌市を追い抜くほどの密集都市でしたが、現在は人口が半分ほどに減ってしまったため、にそれほどごみごみとした印象はなくなってきています。
それでも、坂の多い街の中に人口の規模以上に住宅が集まっている印象があるため、特に東室蘭駅・室蘭駅周辺は北海道内の街の中では比較的栄えている印象を受けることでしょう。室蘭駅と隣接する母恋駅の周辺も、住宅や建物が比較的多く、また道路も広く取られているため、想像以上に都会の印象を持つ方も多いことでしょう。
広い道路に面して、住宅や小さなビルなどが建ち並んでいます。
全国に4つしかない恋の駅!母恋駅とは?
室蘭支線の3つ目の駅である母恋駅は、室蘭市内の住宅密集地の一角にたたずんでいます。住宅が数多いエリアにある母恋駅ですが、市内の幹線道路である「室蘭新道」に面しているため、駅自体の利用客は少なくなっているのが現状です。
しかし母恋駅は、ノスタルジーあふれるたたずまいと名前の珍しさから、室蘭本線全体の中でも観光客が多く訪れる駅のひとつとなっています。母恋駅のように、駅名に「恋」がつくところは全国に4ヶ所しかなく、縁結びの要素も大きいことからカップルや夫婦で訪れる観光客の方も多くなっています。
「母恋」という地名はアイヌ語由来の当て字であり、本来は「ホッキ貝が獲れるところ」という意味を持っています。「恋」にまつわる観光客が多いこと以外にも、「母」という字から母の日に関するイベントも多く開催されており、母の日のある毎年5月には「母の日記念乗車券」が発売されています。
母恋駅外観。適度に剥げた塗装や錆ついた屋根の雰囲気が、どこか懐かしさと郷愁を漂わせています。
本来の駅名の意味である「ホッキ貝が獲れるところ」にちなんで、「母恋めし」というホッキ貝ご飯がメインとなった駅弁が販売されています。
構内の様子。窓口では切符の発券が現在でも行われています。昔ながらのストーブを囲むようにして、待合室の座席が設置されています。
写真のとおり、日本には母恋駅の他にあと3つ、「恋」という字のつく駅が存在しています。興味のある方は、ぜひとも全駅を制覇してみてはいかがでしょうか。
ホームの様子。古めかしい柱が、郷愁をよりいっそう演出しています。
室蘭方面の線路。駅を取り囲む高架の道路は、札幌から伸びている国道36号線です。
反対側のホームの様子。緑を基調とした跨線橋がかけられています。
跨線橋から見た苫小牧・岩見沢方面の線路と母恋駅のホーム。
母恋駅周辺スポット①:地球岬
母恋駅から約2.5キロの場所に位置している「地球岬」は、室蘭市を代表する観光スポットのひとつです。室蘭市有数の景勝地として、道内や道外、そして海外からも数々の観光客が訪れるスポットとなっています。
地球岬は、アイヌ語で「チキウ岬」という名前の岬であり、「チキウ」がなまった結果、「地球」という当て字がなされました。
見るものを圧倒する目の前に広がった青い海。地平線の彼方で、海と空の境界はあいまいになります。太陽の光が降り注ぐ晴れた日に見れば、北海道の中でも有数の思い出になることでしょう。
元旦には初日の出を観察する絶好のスポットとなるため、全道各地、全国各地から観光客が押し寄せます。岬の先端にある「チキウ岬灯台」が初日の出を受けて白く光り輝く姿は、一度見たら忘れられないものとなるでしょう。
母恋駅の隣にある、地球岬の巨大な看板です。
鉄製の地球のオブジェに入った電話ボックスは、地球岬のシンボルとなっています。
海抜100メートルほどの断崖絶壁が連なり、その前に青い海が広がる光景は圧巻です。
岬の先端に位置する灯台。陽の光を受け、白い輝きを放っています。
遠くには、函館の近くにそり立つ駒ケ岳を望むことができます。
陽の光を受けた水面は、コバルトブルーになることもあります。
岬の反対側には、室蘭市街の様子を望むこともできます。
母恋駅周辺スポット②:トッカリショ
地球岬の東側へ歩いて約15分。高台の上から海岸線を見渡すことができる「トッカリショ」は、地球岬に比べると知名度が低いものの、地球岬以上に雄大な海と地形が織りなす絶景を楽しむことができる場所です。
地平線の彼方まで広がる大海原は地球岬以上に迫力満点であり、純粋に海の景観を楽しみたい方はこちらにもぜひ足を延ばすべきだと言えます。2012年には、地球岬などと合わせてトッカリショが国の名勝である「ピリカノカ」に指定されました。
地球岬の先に広がる海を遠巻きに眺めながら、アップダウンの多い道を歩いていきます。
道中では、室蘭市内の住宅街を望むこともできます。
地球岬の東側にある高台を登ると、トッカリショに到着します。
トッカリショは地球岬などと並んで「室蘭八景」にも指定されています。
海岸線の形が独特であり、海面と共に変わった景観を作り出しています。
かつてはこの場所に、アイヌの方々の集落が存在していました。
後方には、室蘭市内の高台に建つ住宅群を望むこともできます。
母恋駅のまとめ
母恋駅は日本に4つのみ存在している「恋」の字が付く駅のひとつであり、恋や母にまつわるお土産やイベントなども行われています。母恋駅から徒歩で行くことも可能な「地球岬」と「トッカリショ」は、室蘭市内を代表する景勝地であり、室蘭に訪れたならばぜひともチェックしておくべき場所です。
室蘭支線は、いよいよ終着駅の「室蘭駅」へと向かっていきます。線路沿いに広がる街並みを眺めながら、ゆったりと進んでいきましょう。

むらはし

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