モダンな橋上駅舎が特徴!室蘭本線・北吉原駅とは?

室蘭本線の北吉原駅を紹介します。目の前に日本製紙の工場がある北吉原駅は、北海道初の橋上駅舎を持つ駅としても有名です。北海道の鉄道の歴史を知る上でも、欠かすことのできない場所となっています。

白老町中心街を抜け、室蘭本線は南西へ進む

前回の萩野駅を過ぎると、白老町の中心街は遠ざかっていき、またしばらく室蘭本線は海岸線に沿って自然の景観を車窓に映し出しながら進んでいくこととなります。美しい海岸線と太平洋の眺めを楽しみながら、室蘭本線の旅は続いていきます。

海岸線を進みながらぼんやりと車窓を眺めていると、反対側に工場の姿が増えてくるエリアに差し掛かります。工場の姿が見え始めると、北吉原(きたよしはら)駅はすぐそこです。

美しい海と空の景観は、まさに北海道の醍醐味のひとつでもあります。

陽の光を浴びてきらめく水面を眺めながら、ゆったりと列車に揺られて進みましょう。

北海道初の橋上駅舎が特徴!北吉原駅とは?

室蘭本線の21個目の駅である北吉原駅は、白老中心部から少し離れた場所に位置しています。周辺はいくつかの住宅に加えて、製紙工場などが建ち並んでいるエリアとなっています。また遠くには太平洋の大海原も見え、様々な要素にあふれた場所となっています。

北吉原駅は、北海道では初めてとなる橋上駅舎を備えている駅です。今でこそポピュラーな存在になっている橋上駅舎ですが、北吉原駅が開業した1965年ごろとしては最新の設備であり、当時最新鋭の駅舎として大きな注目を集めていました。北吉原駅は駅の目の前にある日本製紙の前身「大昭和製紙」が建設費用を負担したものであり、社員のための駅という役割が大きくなっていました。

現在では当時よりも車による交通アクセスが便利になったことから、吉原駅は利用客数を大きく落としています。また駅舎の整備があまり行われておらず、駅舎も築50年ほどになっており傷みが激しいものとなっています。しかし、その変わった外観がかもし出す独特なたたずまいが失われることはなく、室蘭本線においても特に異彩を放っている駅のひとつだと言えるでしょう。

北吉原駅外観。古びてはいますが、近代のモダンアートのような建物であり、国道沿いからもすぐに分かるほど目立った建造物となっています。

国道36号線に設置されている北吉原駅の案内板。サビがひどく、年季を感じさせています。

階段の手すりなどもサビ付いています。1988年までは製紙工場の従業員向けに急行列車が停車していましたが、急行の停車がなくなって以降急速に利用者が少なくなってしまいました。

各所で塗装も剥げてしまっており、経年による劣化が著しくなっています。

駅舎入り口。古めかしい印象が強く、ひしゃげた灰皿やサビ付いた扉のサッシなどが物悲しさを漂わせています。

駅構内。北吉原駅は2003年までは業務委託という形の有人駅でした。現在でも、有人時代に使われていた設備が撤去されずに残されています。

簡素な待合用のベンチが設置されています。

駅構造図。今でこそ当たり前になっている構造ではありますが、当時は非常に斬新な駅として受け入れられていました。

かつてより多くの利用者がいた時代には、駅舎の両側からホームに出られるようになっていました。

ホームはコンクリート等が敷かれているわけではなく、簡素な印象です。ちょうど普通列車が入ってきました。

橋上駅の真下に、普通列車が停車します。

室蘭・長万部方面の線路。

国道36号線に面しているため、交通量の多い道路が目の前にある駅となっています。

遠くの方には、工場の施設と煙を望むことができます。

トイレは駅舎とは別の建物にあります。

北吉原駅周辺スポット:日本製紙白老工場

苫小牧市の工業地帯は、現在でも王子製紙が中心となっています。白老町は苫小牧市とは違って農業や畜産などが基幹産業となっていますが、この北吉原駅の近くにある「日本製紙白老工場」だけは、苫小牧の王子製紙工場にも負けない設備を持ったスポットとなっています。

現在でも700人ほどの従業員が製紙工場で働いており、白い煙がもくもくと立ち上っています。北吉原駅を利用する従業員は少なくなってしまったものの、今でも白老町中心街や苫小牧市から通勤する従業員の方の中には、室蘭本線の普通列車を利用している方もいらっしゃいます。

現在ではこの工場が日本製紙の北海道における最大の生産拠点となっており、日々北海道内、そして道外へと良質な紙を送り続けています。

工場の敷地は広く、トラックの往来なども非常に激しい場所となっています。

工場の敷地の前には線路が通っており、踏切で列車の通過待ちをすることもしばしばです。

北吉原駅のまとめ

北吉原駅は、白老町の中心街から少し外れた場所に位置しています。北海道初の橋上駅舎を持っており、そのアート性の高い駅舎はぜひ一度実際に見てみるべきでしょう。自然が豊かな白老町の中で、この駅周辺のみに工場などが建ち並んでいることも特徴です。
室蘭本線は、南西方向へと少しスピードをゆるめながら進んでいきます。次回は、白老町の5つ目の駅「竹浦駅」まで、進んでみることにしましょう。

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むらはし

むらはし

北海道の鉄道に魅せられた平成世代。北海道に数多くある秘境駅、廃線間近の路線などを巡り、その素晴らしさを伝えたいと思っています。

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