オロロンラインの天塩町について紹介します。豊かな水量を誇る天塩川と共生する町・天塩町。天塩川は北海道で2番目に長い川で、周辺には素晴らしい景観が広がっています。レストランや特産品売り場のある「道の駅 てしお」や、「天塩川歴史資料館」も見逃せません。
天塩町からは、道道106号線に乗り換えて北上を続けよう!
遠別町から北に約20キロ。オロロンラインの起点からはおよそ270キロの場所にある「天塩町」は、日本海の雄大な眺めと天塩川の景観に抱かれた町です。およそ3,200人の人がゆったりと生活しています。
留萌市からここまでは国道232号線をひたすら北上してきましたが、引き続きオロロンラインを通っていくためには、天塩町で道の駅前の交差点で左折して、道道106号線へ乗り換える必要があります。通常であれば「都道」「県道」となるのですが、北海道の場合は「道道」と「道」が二つ続くことになってしまいます。
国道232号線を引き続き北上していっても稚内までたどり着くことはできますが、道道106号線はオロロンラインの中でも屈指の素晴らしい景観の宝庫であるため、忘れずにこちらへ入るようにしましょう。
このように、国道232号線を通っても稚内に行くことはできますが、山あいを通っていくことになるうえ、オロロンラインからは外れてしまいます。
オロロンラインで国道232号線を通っていくのは、この天塩町で終了となります。
天塩町とはどんな町?
天塩町は、稚内市からおよそ60キロ南に位置している町です。天塩町は炭鉱を持たなかったこともあり、古くから漁業が町の中心産業となっていました。もちろんこの町でも中心的な海産物はニシンです。そのため、昔はニシン漁によって生計を立てている漁師が数多く存在していました。
しかし、ほかの自治体と同様、ニシンが獲れなくなってからは、漁業自体が衰退。代替産業をほとんど持っていなかった天塩町は、窮地に追い込まれることとなってしまいました。
代わりとなる産業が農業程度しかなかった天塩町は、他の自治体以上に急激に過疎化が進行。現在は最盛期の人口のおよそ3割程度にまで町の規模が縮小してしまいました。
ただ、日本海や天塩川を中心とした自然の恵みは、天塩町に引き続き存在し続けています。そのため、これらを源とした農業や畜産業、そして細々とではありますが、漁業も継続的に行われ続けています。
天塩町中心街。国道を中心に集落が広がっています。
天塩町役場
白を基調とした比較的立派な建物です。
天塩町周辺のおすすめスポット①:道の駅 てしお
国道232号線上にある「道の駅 てしお」は、天塩町の市街地の直前に位置しています。この場所から天塩町の様々な観光スポットに行くことも可能です。レストランと特産品売り場がメインの道の駅施設は、町民に貸し出されているスペースもあるなど、簡素ながら独自性にあふれた場所となっています。
道の駅 てしおについて、詳細はこちらを参照してみてください。
この青い大きな看板が目印です。
レンガ造りのモダンなたたずまいが印象的です。
看板付近には町民の方が植えた花々が咲き誇ります。
道の駅では天塩町のゆるキャラ「てしお仮面」が出迎えてくれます。
町民による絵画などを展示するスペースも設けられています。
天塩町周辺のおすすめスポット②:天塩川歴史資料館
天塩町は、古くから天塩川とともに歩んできた場所でした。北にある「サロベツ原野」などによって育まれた天塩川の清流と、日本海の海水が混ざり合っていることで、この場所は古来から格好の漁場として認識されていました。アイヌ人の大規模な集落があったことで、江戸時代頃にはアイヌ人と和人との交易地となっていたことでも知られています。
このような天塩川と天塩町、そしてアイヌの人々の営みを貴重な資料とともにひも解いているのが、「天塩川歴史資料館」です。巨大な復元模型や解説パネルなどで天塩川の歴史が分かりやすく説明されており、予備知識なしでも十分に楽しむことができます。
道銀と隣り合う形で、資料館が建設されています。
レンガ造りの建物は、北海道庁を思わせるものにもなっています。
入り口にある巨大な木造船舶は、江戸時代から明治時代頃に使われていた漁船の復元模型です。
実際に漁業などで利用されていた道具も数多く展示されています。
中世頃からのアイヌ人の歴史を、パネルなどを使って非常に分かりやすく解説しています。
天塩が「テシホ」であったころの風景。江戸時代前期頃の光景です。
クジラのアゴの巨大な模型などもあります。
天塩町周辺のおすすめスポット③:天塩川
天塩町の町自体を育み続けている「天塩川」は、素晴らしい景観スポットとしても見逃したくない場所だと言えるでしょう。天塩川は、国道232号線から道道106号線へと左折した道路を真っ直ぐに進めばたどり着けます。
北海道で2番目に長い全長256キロの天塩川は、天塩町から幌延町、中川町、音威子府(おといねっぷ)村、美深(びふか)町、名寄市、士別市に注ぐ巨大な河川です。流域の町の発展には欠かせない存在で、今もなお豊富な水量で北海道の農業や畜産を下支えし続けています。
道の駅 てしおの直前に位置するこの交差点を左折すれば、道道106号線に入ることができます。
この看板のある交差点から曲がらずに少し直進すると、天塩川が見えてきます。
河口付近は非常に広く、一瞬海ではないかと錯覚するほどです。
海と違い、多少風が強くとも穏やかな流れが続きます。
天塩川は、写真の左手から日本海に注いでいます。
開放感のある光景が広がっています。
すぐ近くには非常に小ぢんまりとした「天塩漁港」もあります。
引き続き北上する際には、先ほどの案内板の場所まで戻りましょう。こちらの橋を渡って、オロロンライン北上の旅は続いていきます。
橋の上からの天塩川。川で養殖業をしている船も見えます。
天塩町のまとめ
オロロンラインの起点から270キロ、最北の町・稚内からは60キロほど南に位置している天塩町は、豊かな天塩川の流れが育んだ「川と共生する町」です。天塩川の素晴らしい景観はもちろんのこと、道の駅など見るべきスポットも数多く存在しています。
いよいよ、最北の地・宗谷岬まで100キロを切りました。ここからは、オロロンライン上でも随一の素晴らしい景観が広がるエリアが続きます。景色に見とれすぎずに、引き続き安全運転で、気を引き締めて残りの道も進んでいきましょう。
Ichiro
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