オロロンラインの稚内市を紹介します。日本でありながら、ロシアを彷彿させるような街並みも広がる稚内市では、本格的なロシア料理を楽しめるレストランもあるのが特徴です。実際、ロシア人も数多く住んでおり、観光で訪れれば異国を感じることができそうです。
オロロンライン北上の旅もあと少しでゴール!
ノシャップ岬を過ぎると、オロロンラインの旅はついに終着へと近づいていきます。ノシャップ岬から伸びる道を進んでいくと、少しずつ沿道に建物が増えていき、稚内市の中心部へ近づいて行っていることが分かります。
ノシャップ岬からのこの道をまっすぐ行くと、稚内市街へと入っていきます。
市街地から30キロ程度距離のある宗谷岬と違い、ノシャップ岬は稚内市街中心部から4キロ程度しか離れていないため、車ならば10分程度で到着することができます。港が見えてくると、いよいよ最北の街、稚内へ入っていくことになります。
市街に続く道をまっすぐ進んでいくと、稚内港へ差し掛かります。
北防波堤ドーム。稚内港の防波堤としての役割だけでなく、古代ギリシャ建築の雰囲気がある特徴的な建物であることから、稚内市を代表する観光名所のひとつにもなっています。夏場にはツーリングで訪れたライダーが、テントを張って野宿を行う姿も多く見受けられます。
夜の北防波堤ドーム。幻想的にライトアップされた姿は、稚内の夜のシンボルとなっています。
稚内市はどんな街?
現在日本の主権が及んでいる場所の中では最北の場所にある街・稚内市。人口はおよそ3万5,000人であり、他の北海道の地方都市と同様、その人口は減少の一途となっていて、まさに北の最果てにある街となっています。しかし、その街の規模自体は人口に比べると大きく、大きなホテルが建っているなど、街の中心部には立派な建物がいくつか建っています。
稚内駅の近くには、ANAクラウンプラザホテルを中心に、綺麗で立派な建物がいくつも建ち並んでいます。
夜のANAクラウンプラザホテル周辺
人口に比べて街の規模が比較的大きい理由は、衰退したとは言っても稚内港が現在も道北の漁業を支えているうえ、漁業も含めてロシアとの地域的交流が深く、ロシア人が数多く来訪しているためです。街を歩いていてもロシア人と思しき外国人を数多く見かけることがあり、街にはロシア語の併記された看板が掲げられています。
稚内市役所。市役所も比較的立派です。
このように、市内の案内看板のほとんどにロシア語が併記されています。
街の中でロシア語を見ることは珍しくありません。
稚内は夏でもほとんどの日で気温が20度台前半までしか上がらず、非常に過ごしやすい日々が続きます。そのかわり、冬の寒さは厳しく、積雪も多い地域となっています。
稚内市おすすめスポット①:道の駅 わっかない
日本最北の道の駅となっている「道の駅 わっかない」は、全国的にも珍しい鉄道駅が併設された道の駅となっています。さらに、道の駅に鉄道駅だけでなくバスターミナルとみなとオアシスが併設されている場所は全国でもここだけとなっており、極めて珍しい運営形態の道の駅となっています。
こちらの道の駅は、まさに稚内の交通の要所であり、日本の最北端にほど近いこの場所から、全道各地、さらに全国各地へと旅立っていける場所となっているのです。
大きな看板が目印になっています。
JR駅の表示の横に、道の駅の表示があります。
道の駅の目の前には、大海原が広がっています。
JR駅のホームにはこのような標識が建っています。
稚内駅は宗谷本線の終着駅にもなっています。
線路の終点。
道の駅の詳細については、こちらの記事を参照してみてくださいね。
稚内市おすすめスポット②:稚内公園
稚内市内の夜景を一望することができるスポットが、この稚内公園です。高台にある公園であり、最北の街の夜景を見渡すことができる場所となっています。
港側の夜景。上から見渡すことで港の造形も良く分かります。
駅側の夜景。宗谷岬側に伸びている街の明かりが綺麗です。
また、公園内にある「氷雪の門」の像は、北海道の北側にあり、戦時中まで日本の領土であった樺太で亡くなった人々の慰霊の像が建っています。稚内はロシアとかかわりが深いこともあって、市内には樺太や北方領土の歴史や文化などを紹介する施設も数多く存在しています。
氷雪の門。空に上っていくような造形になっており、戦没者への祈りがささげられています。
稚内市おすすめスポット③:ロシア料理店 ペチカ
ロシアとの深いかかわりがあり、ロシア人も数多く住んでいる稚内では、お土産品としてマトリョーシカなどのロシアの民芸品が売られていることもあります。また、市内にはロシア料理を提供するところもいくつかあります。
こちらの「ロシア料理店 ペチカ」も、そのようなロシア料理を提供するお店のひとつであり、本格的なロシア料理の数々をいただくことができます。
ロシアの片田舎の民家を思わせる店の外観です。
コースを頼めば、定番からマニアックなロシア料理までを網羅することができます。今回はサハリンコースを注文しました。
メニューに挟まれているロシアの紹介。手作り感満載で楽しくロシアを学べます。
簡単なロシア語講座もありました。
まずは1品目のおまかせサラダ。ジャガイモが主体ですが、赤かぶの煮汁で全体が赤く染まっていてインパクトのある一品です。
ロシア料理の定番、ボルシチ。赤かぶやキャベツを中心とした野菜がしっかり煮込まれていてコクがあります。
こちらもロシア料理の定番、ピロシキ。イメージほど脂っぽさは少なく、後味は意外にさっぱりしています。
ロシア版水餃子とも言うべき、ペリメニです。中にはひき肉がぎっしり詰まっています。
豚肉の串焼き、シャシリークです。元々は羊肉が使われていたのですが、各地でアレンジが加えられ、現在では肉が串焼きになっているものはひとくくりでシャシリークと呼ばれています。
デザートを追加で注文しました。ブリヌイと呼ばれるパンケーキのような一品です。ブルーベリージャム、リンゴジャム、メープルシロップをお好みで。
また、こちらの料理店も入居する「稚内副港市場」は、飲食店を中心に様々な商店が入居する場所となっており、稚内観光の起点のひとつとなっています。全体的に温かな雰囲気がある、通常のショッピングモールとは違ったどこか懐かしい空気感も持っている場所です。
建物の内外に、10店もの飲食店をはじめ、食品販売店や雑貨店、さらには温泉施設など、様々なテナントが入居しています。観光客はもちろん、地元の方々にも愛されている施設です。
木造のテナントが多く入居していることもあって、温かみを感じられるつくりとなっています。
施設内には、巨大な南樺太のジオラマがあります。日本統治時代の都市名や旧国鉄の路線が一目でわかるような仕様になっており、南樺太について視覚的に理解することができるでしょう。
南樺太の歴史や、日本統治時代の街並みを写した貴重な写真などが飾られているエリアもあります。ビデオブースでは、現在のサハリンに住んでいるロシア人の人々がどのような生活を送っているかということが分かるビデオが上映されています。
稚内市のまとめ
日本最北の街、稚内市は日本人だけでなくロシア人も数多く生活する場所となっており、日本的な港湾の装いと近代的な建物に、極東ロシアのような雰囲気の街並みが同居する都市となっています。街には見どころも多く、旅の疲れを癒しながら楽しく過ごすことができるでしょう。
札幌から300キロ以上北上してきた旅もいよいよ最終盤。次回は、稚内市の東側へ車を走らせ、宗谷岬へと向かっていきたいと思います。
Ichiro
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